携帯サイトを UTF-8 で作りたくて au ブラウザのバージョンを調べてみた
現在構築中のシステム、全体的に文字コードは UTF-8 で統一するつもりだったのですが、携帯電話用のサイトは Shift_JIS で表示する流れになってしまったようで。UTF-8 で統一できると何かと楽なので、携帯電話が UTF-8 に対応してそうか情報を集めてみました。
結論ですが、サイトの特性によるので一概には言えなそうです。
まとまった情報
2010-09-09 時点の情報で、見つけた中では一番詳細な比較になっていました。表示が正しく行われているかだけでなく、SSL 対応やパラメータの文字化けについても言及してされています。まとめを抜き出すと、
docomoとSoftBankはUTF-8に完全対応できているが、auは最新ブラウザ(バージョン7.2)ですら完全に対応できていない!しかもauはブラウザバージョンやSSLかどうかなどの要因で何やら複雑に変化している。
とのことで。
最近の au 端末にはブラウザ ver7.2 と ver6.2 の二種類がありますが、UTF-8 でサイトを構築した場合、
- ブラウザ ver7.2 の場合
- ブラウザ ver6.2 の場合
といった感じみたいです。
パラメータが Shift_JIS で送られてくるのはプログラム側で対策できるし、HTML/XHTML どちらを使うかもこちらで選択できますが、EC サイトなんかを運営する場合は SSL が使えない(=ユーザがサーバの正当性を確認できない)のは致命的です。今回のシステムはまさにそういうケース(SSL を使いたい)なので、サポートする端末に ver6.2 のものが含まれる場合は UTF-8 でのサイト構築は諦めるしかなさそうです。
(補足1)SSL 未使用でよければ・・・
もし構築するサイトが SSL 未使用でよければ、コンテンツを HTML で作成し、au 用に Shift_JIS の処理を入れることで UTF-8 でのサイト構築は可能なようです。この場合の注意点等については下記の 2 サイトが参考になりそうでした。
- ケータイ飲食検索、au・ソフトバンク端末に対応|blog|たたみラボ
- 2007-02-26 時点の情報。au は Shift_JIS で送られてくるので対策として以下のような処理を入れたとか。
mb_convert_encoding($_GET["Keyword"],'UTF-8','UTF-8,SJIS')
- 「メモ」携帯サイトをUTF-8で出力する方法とSEO評価 - komoriyaのはてなダイアリー
- 2009-08-19 時点の情報。SEO 的にも問題なかったとか。
「サイトのリニューアルの際にShift_JIS -> UTF-8をやってみたんですけど、リニューアル前後でのAU Googleの検索流入数、INDEX数共に減少することなく、いくつかの最適化も行ったことも加えて増加傾向にあります。」
(補足2)ブラウザバージョンについて
バージョン 7.2 といわれる端末の UserAgent を見ても「UP.Browser/6.2〜」となっていて不思議だったんですが、ここのバージョンが「UP.Browser/6.2_7.2.〜」のものがバージョン 7.2 にあたるそうです。
また、従来端末(KCP 等)が 6.2 以下で、KCP+ 端末が 7.2 とのことです。
ブラウザバージョンを調べてみる
サポート対象の機種を「○年○月以降に発売のもの」だとか「過去○年以内に発売のもの」と決めて、うまいこと ver7.2 の端末までに絞り込めれば、UTF-8 でサイト構築してもよさそうなので、ここ数年発売されている機種のブラウザバージョンを調べてみました。
調査には以下のデータ(2011-08-25 版)を使用しました。
また、冒頭のサイトのブックマークで
id:tailtame Mobile, tips
「UP.Browser/7.2」でちょっと調べたら今度の800MHz帯の周波数再編で全部UTF-8対応携帯になるのか…もうちょっとだなぁ。
とありました。800MHz帯の再編により、新800MHz帯が利用できない機種は 2012年7月24日 以降に使えなくなるという話のようで。
に端末の一覧があったので、この情報も集めてみることにします。こちらについては 2006/12/15?発売の W47T が「au初のトリプルバンド(L800(在来800)MHz、N800(新800)MHz、2GHz)端末」とのことなので、これ以降の端末だけ情報を集めれば十分そうです。
(2012/08/06 追記)
わざわざ調べてしまいましたが、
こちらで
- キャリア: au
- 発売日: >2006/12/15
としてフィルタして、発売日でソートすれば同じ情報が最新の状態で見られます・・・。
(2012/08/06 追記 ここまで)
調査結果
各月に発売された端末を分類すると、こんな感じになりました。これ以前の機種はすべて新800MHz非対応機種 or ver6.2 の機種でした。なお、スマートフォンは対象に入っていません。
まず、新800MHz 対応機種にも ver6.2 のものは多数あるようで。残念ながら「2012-07-24 以降は何も気にせずに UTF-8 でサイト構築できるようになる」とは言えないようです。
次に、最近発売されている機種はほとんど ver7.2 ですが、まだちらほらと ver6.2 が残っています。とはいえ、2009年11月以降に発売されている ver6.2 の機種はフルブラウザ非対応機種で、
とわけありの品ばかりなんですよね。KCP - Wikipedia にも以下のような説明がありました。
このため、2010年度以降に新規開発された従来のKCPに対応した機種は前述の通り、SANYOブランドおよびKCP+/KCP3.x対応機種[2]を除く京セラ全機種、および簡単ケータイS PT001[3]を除く韓パンテック全機種に見られるのみとなり、事実上、KCP対応機種は初心者向けおよび高齢者向け、児童向けにそれぞれ整理されつつある。
これらをどう扱うかが問題で。「わざわざこういう機種を選ぶくらいだから、ブラウジングはしない人たちでしょ」と切り捨ててしまえるサイトもあるでしょうし、逆にこういった層を対象にしているサイトであれば「見られない場合はフルブラウザで見てね」という逃げも打てず、サポート対象にせざるを得ません。本当は利用者の割合とか調べて決めるのがいいんでしょうね。
今回のサイトは携帯電話でのアクセスがかなり多いですし、Shift_JIS で表示する方針も妥当そうなので、おとなしくそれに従うことにしました。まあ方針に納得できたのでよかったです。