miauのブログ

はてなダイアリー「miauの避難所」をはてなブログに移行しました

携帯サイトを UTF-8 で作りたくて au ブラウザのバージョンを調べてみた

miau2011-09-18


現在構築中のシステム、全体的に文字コードUTF-8 で統一するつもりだったのですが、携帯電話用のサイトは Shift_JIS で表示する流れになってしまったようで。UTF-8 で統一できると何かと楽なので、携帯電話が UTF-8 に対応してそうか情報を集めてみました。

結論ですが、サイトの特性によるので一概には言えなそうです。

まとまった情報

2010-09-09 時点の情報で、見つけた中では一番詳細な比較になっていました。表示が正しく行われているかだけでなく、SSL 対応やパラメータの文字化けについても言及してされています。まとめを抜き出すと、

docomoSoftBankUTF-8に完全対応できているが、auは最新ブラウザ(バージョン7.2)ですら完全に対応できていない!しかもauはブラウザバージョンやSSLかどうかなどの要因で何やら複雑に変化している。

とのことで。

最近の au 端末にはブラウザ ver7.2 と ver6.2 の二種類がありますが、UTF-8 でサイトを構築した場合、

  1. ブラウザ ver7.2 の場合
    • XHTML のコンテンツであれば動作に問題なし
    • HTML のコンテンツでは、非 SSL 通信時に GET 送信のパラメータが Shift_JIS で送られる
  2. ブラウザ ver6.2 の場合
    • XHTMLSSL を使用した場合正しく表示されない
    • HTML で 非 SSL だと表示は正しく行えるが、GET 送信のパラメータが Shift_JIS で送られる

といった感じみたいです。

パラメータが Shift_JIS で送られてくるのはプログラム側で対策できるし、HTML/XHTML どちらを使うかもこちらで選択できますが、EC サイトなんかを運営する場合は SSL が使えない(=ユーザがサーバの正当性を確認できない)のは致命的です。今回のシステムはまさにそういうケース(SSL を使いたい)なので、サポートする端末に ver6.2 のものが含まれる場合は UTF-8 でのサイト構築は諦めるしかなさそうです。

(補足1)SSL 未使用でよければ・・・

もし構築するサイトが SSL 未使用でよければ、コンテンツを HTML で作成し、au 用に Shift_JIS の処理を入れることで UTF-8 でのサイト構築は可能なようです。この場合の注意点等については下記の 2 サイトが参考になりそうでした。

mb_convert_encoding($_GET["Keyword"],'UTF-8','UTF-8,SJIS')

「サイトのリニューアルの際にShift_JIS -> UTF-8をやってみたんですけど、リニューアル前後でのAU Googleの検索流入数、INDEX数共に減少することなく、いくつかの最適化も行ったことも加えて増加傾向にあります。」

(補足2)ブラウザバージョンについて

バージョン 7.2 といわれる端末の UserAgent を見ても「UP.Browser/6.2〜」となっていて不思議だったんですが、ここのバージョンが「UP.Browser/6.2_7.2.〜」のものがバージョン 7.2 にあたるそうです。

また、従来端末(KCP 等)が 6.2 以下で、KCP+ 端末が 7.2 とのことです。

ブラウザバージョンを調べてみる

サポート対象の機種を「○年○月以降に発売のもの」だとか「過去○年以内に発売のもの」と決めて、うまいこと ver7.2 の端末までに絞り込めれば、UTF-8 でサイト構築してもよさそうなので、ここ数年発売されている機種のブラウザバージョンを調べてみました。
調査には以下のデータ(2011-08-25 版)を使用しました。

また、冒頭のサイトのブックマークで

id:tailtame Mobile, tips
「UP.Browser/7.2」でちょっと調べたら今度の800MHz帯の周波数再編で全部UTF-8対応携帯になるのか…もうちょっとだなぁ。

とありました。800MHz帯の再編により、新800MHz帯が利用できない機種は 2012年7月24日 以降に使えなくなるという話のようで。

に端末の一覧があったので、この情報も集めてみることにします。こちらについては 2006/12/15?発売の W47T が「au初のトリプルバンド(L800(在来800)MHz、N800(新800)MHz、2GHz)端末」とのことなので、これ以降の端末だけ情報を集めれば十分そうです。

(2012/08/06 追記)
わざわざ調べてしまいましたが、

こちらで

  • キャリア: au
  • 発売日: >2006/12/15

としてフィルタして、発売日でソートすれば同じ情報が最新の状態で見られます・・・。
(2012/08/06 追記 ここまで)

調査結果

各月に発売された端末を分類すると、こんな感じになりました。これ以前の機種はすべて新800MHz非対応機種 or ver6.2 の機種でした。なお、スマートフォンは対象に入っていません。

まず、新800MHz 対応機種にも ver6.2 のものは多数あるようで。残念ながら「2012-07-24 以降は何も気にせずに UTF-8 でサイト構築できるようになる」とは言えないようです。

次に、最近発売されている機種はほとんど ver7.2 ですが、まだちらほらと ver6.2 が残っています。とはいえ、2009年11月以降に発売されている ver6.2 の機種はフルブラウザ非対応機種で、

とわけありの品ばかりなんですよね。KCP - Wikipedia にも以下のような説明がありました。

このため、2010年度以降に新規開発された従来のKCPに対応した機種は前述の通り、SANYOブランドおよびKCP+/KCP3.x対応機種[2]を除く京セラ全機種、および簡単ケータイS PT001[3]を除く韓パンテック全機種に見られるのみとなり、事実上、KCP対応機種は初心者向けおよび高齢者向け、児童向けにそれぞれ整理されつつある。

これらをどう扱うかが問題で。「わざわざこういう機種を選ぶくらいだから、ブラウジングはしない人たちでしょ」と切り捨ててしまえるサイトもあるでしょうし、逆にこういった層を対象にしているサイトであれば「見られない場合はフルブラウザで見てね」という逃げも打てず、サポート対象にせざるを得ません。本当は利用者の割合とか調べて決めるのがいいんでしょうね。

今回のサイトは携帯電話でのアクセスがかなり多いですし、Shift_JIS で表示する方針も妥当そうなので、おとなしくそれに従うことにしました。まあ方針に納得できたのでよかったです。